美味しいジェラートで一息ついたあとは、トレヴィの泉へと向かうため
モンテチトリオ宮殿(広場)の前を歩いて行きます。ここにも立派なオベリスクが建っていました。途中の道は飲食店やお土産屋さんばかりが建ち並んでいて本当にこの近くにトレヴィの泉があるのだろうか?とちょっと心配になってきますが、そのままズンズン進んでいくと…
突然、建物の間の開けた空間に出て「
トレヴィの泉」が姿を現します。この噴水はポーリー宮殿の壁面と一体化していて、彫刻や水が流れ落ちる石段が末広がりに配置されていています。彫刻の白と水のブルーがとても美しく迫力もありました。
トレヴィの泉には後ろ向きにコインを投げると願いが叶うという言い伝えがあります。写真撮影をする観光客の人垣を掻き分けて、私も「再びローマに訪れることができますように」とコインを1枚投げてきました。ちなみにこのコインは掃除機みたいな機械で時々回収されて、慈善団体に寄付されているそうです。
↑トレヴィの泉にも逸話が残っていて、泉の建築にやかましく口出しをする床屋から泉が見えないようにするため、設計者の
ニッコロ・サルヴィがこの壺の彫刻を配置したとか。
↑トレヴィの泉からトリトーネ通りを歩き、バルベリーニ駅方面へ向かいます。駅前広場にあるのはバルベリーニ作 「
トリトーネの噴水」。貝殻の上でホラ貝を吹いているのが海神トリトーネです。
↑トリトーネを支えているのは
4頭のイルカ…ということなんですが、ウロコもあるしどう見ても違う魚のような…??(;・∀・) 実はこの彫刻が作られた17世紀当時、イルカは魚だと思われていたからだそうです。しかし無いものを勝手に付け加えるのはいかがなものかと思いますよ、バルベリーニさん。
↑トリトーネの噴水と目と鼻の先にあるのは同じくバルベリーニ作の 「
蜂の噴水」。街に溶け込みすぎてわかりにくいですが、画像中央あたりの扇型のものがそれです。おのぼりさんの私は噴水の写真を撮りたくてカメラを持ってウロウロ。そんなことはお構いなしで地元の人々はドーンと噴水の真ん中に腰掛けて休憩していたり、弁当をひろげていたりするのでなかなか良い写真が撮れなくて大変でした(笑)。ローマに住む人達にとってはバロック期の大巨匠 バルベリーニの名作も生活の一部に過ぎないのかも知れませんね。
↑で、こちらが人がいなくなるのを待って撮った「
蜂の噴水」
ラテン語で「
公共の民とその動物たちのための水」と書かれています。実際、噴水のお水は飲むことができてとても美味しいらしいのですが、この先旅は長いしお腹を壊すと大変なのでやめておきました。
次の目的地である教会の午後の開館時間まではまだ少し時間があったので、教会向かいの
カフェで時間を潰すことにしました。天気が良かったのでオープンテラスで。
↑わたしが注文したのはカプチーノ。日本で飲むのと全然味が違ーう!めっちゃウマーイ!
新婚さんいらっしゃいの「YES・NO枕」の次は こちらの「
OKカプチーノ」なんていかがでしょう?w
↑母が注文したのは
カフェラテ。ホットなのにこんな長いグラスに入ってきました。
こちらはココアでお花の模様が書かれていました。(「NO」じゃなくて良かったね)
↑1626年に建てられたカプチーノ修道会の
サンタ・マリア・インマコラータ・コンチェツィオーネ教会。一度聞いただけでは覚えられそうもない名前のこの教会、通称「
骸骨寺」と呼ばれています。なぜ骸骨寺と呼ばれているかは、中に入ってみれば一目でわかります。
教会の地下は約4000体のカプチン派の修道僧の人骨が納められた
墓所になっているんです。しかもただ納めらているのではなく、骨で壁を装飾したりシャンデリア型にして天井からぶら下げられていたりもします。写真のような部屋が5つも続いていて、それをつなぐ廊下にもびっしりと安置されていました。骨盤や指などの同じ部分の骨ばかりを集めて作られている模様も発見。『この模様いったい何体の人骨で作られてるんだろう?』とかはできるだけ考えないようにしました(笑)。死者をこんな形で葬ってバチがあたらないか心配になりますが、ここはカプチン派の信者にとっては神聖な場所なのだそうです。この教会でたくさんの人骨を見ていたら、誰しもがいつか必ずこのような姿になるのだし、死ぬということは別に恐いことではないようにも思えてきました。墓所の入口にはラテン語で「
我々はあなた方と同じように生きていた あなた方もいずれ我々と同じようになるであろう」と書かれているそうです。ふーむ、なるほどね。深イイ~。
そうそう、さきほど飲んだ
カプチーノの名前の由来は、カプチン派の修道服の茶色と似ているというところからきたという説があります。上の写真のガイコツさん達もフードの付いた茶色い修道服(カプッチョ)を着ています。しかしあらためてこの骨の全てがカプチン派の修道僧ってのがすごいですよね。これだけの量になるとどこの誰だかわからない骨を集めてくるだけでも大変だと思いますもん…(※骸骨寺の墓所内は撮影禁止だったので、写真は売店のポストカードをスキャンしたものです。)
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スペイン広場→Pompi→サンタ・マリア・デル・ポポロ教会】へ続く
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